障害者雇用に関する賞や認定についてご存知ですか?
今回は、障害者雇用に積極的に取り組む企業に贈られる主な賞や認定について、その制度や選考基準などをご紹介します。
障害者雇用に関する賞や認定の代表的なものとして、以下の5つが挙げられます。
障害者雇用に関する主な賞や認定
障害者雇用に関する主な賞や認定には、以下のようなものがあります。
ISO 45001認証
ISO 45001は、職場での労働安全衛生に関する国際規格です。この認証において、障がい者の雇用に関する項目は以下の通りです。
- 障がい者に対する雇用・配置・昇進等の機会均等の実現 障がい者に対して、採用・配置・昇進などの機会が均等に与えられているかを確認します。
- 障がい者の職場における健康・安全管理 障がい者が安全かつ健康的な職場環境で働くことができるよう、必要な対策が講じられているかを確認します。
- 障がい者の職務遂行能力の向上 障がい者が、職務遂行に必要なスキルや知識を習得できるよう、教育・訓練などの機会が十分に提供されているかを確認します。
- 障がい者に対する配慮措置 障がい者が働きやすい職場環境を実現するため、必要な配慮措置が講じられているかを確認します。
企業が障がい者を積極的に雇用するために必要な健康・安全マネジメントの取り組みを評価するものであり、障がい者雇用に対する企業の社会的責任を考慮した視点が求められます。
- トヨタ自動車株式会社
- 三菱電機株式会社
- 三菱重工業株式会社
- ソニー株式会社
- 住友林業株式会社
- 野村不動産株式会社
- 村田製作所
- パナソニック株式会社
- 三井物産株式会社
- 住友化学株式会社
次の企業が認証を取得しています。(ISO 45001適合組織検索のリンク)
障害者雇用優良事業所認定制度
厚生労働省が実施する認定制度で、優れた障害者雇用の取り組みを行っている企業を表彰します。この制度では、障害者雇用率や雇用継続率、職場環境の整備などが評価されます。
障害者雇用優良事業所認定制度は、厚生労働省が実施している障害者雇用における優れた取り組みを行っている企業に対して、認定を行う制度です。認定を受けた企業には、優良事業所認定証が授与されます。
この認定制度は、障がい者が活躍できる職場環境を整備することや、障がい者雇用に関する理解を深めるための取り組みを行うことなど、様々な要件があります。認定審査は厳格で、取り組みの評価に加え、調査や面接などが行われます。
障害者雇用優良事業所認定を受けることにより、企業の社会的信頼性が向上するだけでなく、障がい者採用においての優位性も得られるとされています。また、認定を受けた企業には、障がい者雇用に関する情報やノウハウの提供などの支援が行われることもあります。
なお、障害者雇用優良事業所認定制度には、優良事業所認定、優良事業所(雇用管理遵守)認定、優良事業所(バリアフリー)認定、ハローワーク障がい者雇用優良事業所認定など、複数の種類があります。企業は自社の取り組みに合った認定にチャレンジすることができます。
障害者雇用100選
一般社団法人障がい者雇用支援機構が実施する企業表彰制度で、障がい者の雇用に積極的な企業を選定します。この選考では、障がい者雇用率や職場環境の整備、キャリアアップ支援などが評価されます。
障害者雇用100選は、一般社団法人障がい者雇用支援機構が主催する、障がい者の雇用に積極的に取り組んでいる企業を表彰する制度です。毎年6月に公募が行われ、選考委員会によって優良企業が選定されます。
障害者雇用100選に選ばれるためには、障がい者の雇用に積極的に取り組み、その取り組みが評価される必要があります。具体的には、障がい者採用率や離職率、職場環境や福利厚生の整備、障がい者とのコミュニケーションの充実などが評価されます。また、選考委員会は、障がい者の雇用に対する企業の社会的責任感や、企業文化の浸透状況なども判断材料としています。
選定された企業は、表彰式で認定状が贈られ、Webサイト上で紹介されます。選定された企業は、優れた障がい者雇用の取り組みを行っていることが認められ、社会的な評価を得ることができます。また、選定された企業同士で情報交換やネットワークの構築ができる機会も提供されます。
障害者雇用拡大優良事業所表彰
日本商工会議所が実施する表彰制度で、障がい者の雇用拡大に取り組んでいる企業を表彰します。この表彰では、障がい者雇用率の拡大や職場環境の整備、障がい者の社会参加支援などが評価されます。
障害者雇用拡大優良事業所表彰は、日本商工会議所が実施する表彰制度です。障がい者の雇用拡大に取り組んでいる企業を表彰し、社会に対する貢献を促進することを目的としています。
表彰は、以下の5つの部門に分かれています。
- 経営トップによる障がい者雇用拡大推進部門
- 障がい者の雇用と定着に関する取り組み部門
- 障がい者の生産性向上・能力開発に関する取り組み部門
- 障がい者の社会参加・福祉に関する取り組み部門
- 地域社会との連携・協働に関する取り組み部門
応募資格は、障がい者雇用の推進に関する優れた取り組みを行っている中小企業、大企業、自治体、福祉サービス事業者、NPO法人、学校法人等で、経済界、福祉界、教育界、行政界等で構成された選考委員会の審査に合格した企業が対象となります。
選考は、応募書類の選考、選考委員会による現地調査及び面接、最終的には表彰対象者の決定となります。表彰式は、毎年12月上旬に開催され、厚生労働大臣賞、商工労働大臣賞、経済産業大臣賞等の各大臣賞が授与されます。
障害者雇用促進企業表彰
経済産業省が実施する表彰制度で、優れた障がい者雇用の取り組みを行っている企業を表彰します。この表彰では、障がい者雇用率の向上や職場環境の整備、障がい者の社会参加支援などが評価されます。
障害者雇用促進企業表彰は、経済産業省が実施する表彰制度で、優れた障がい者雇用の取り組みを行っている企業を表彰するものです。この表彰は、障がい者の雇用促進に向けた企業の取り組みを促進することを目的としています。
障害者雇用促進企業表彰は、毎年1回行われます。対象企業は、障がい者雇用において優れた取り組みを行い、障がい者を雇用している企業が対象となります。また、障がい者雇用において積極的な取り組みを行っている企業や、障がい者の能力や人格を理解し、尊重する企業にも対象が拡大されています。
表彰は、5つの部門に分かれています。それぞれの部門は、企業の規模や業種などによって異なります。部門は以下のとおりです。
- 製造業部門
- サービス業部門
- 建設業部門
- 海外展開企業部門
- 知的財産経営部門
表彰の審査は、厳正かつ公正な審査委員会によって行われます。審査の基準は、障がい者雇用において優れた取り組みを行っていること、障がい者の能力を最大限に活かすための支援体制が整っていること、社会的責任を果たす取り組みを行っていることなどがあります。
障害者雇用促進企業表彰は、優れた障がい者雇用の取り組みを行っている企業を表彰することで、社会における障がい者の雇用促進を促進することを目的としています。企業は、この表彰を受けることで、障がい者の雇用促進に向けた取り組みをさらに推進することができます。
DIVERSITY INDEX
東京証券取引所が実施する指数で、多様性に配慮した経営を行っている企業を選定します。障がい者雇用の取り組みも評価の対象となります。
DIVERSITY INDEX(ダイバーシティ・インデックス)は、東京証券取引所が2012年から毎年発表している指数で、多様性に配慮した経営を行っている企業を選定し、投資家に対して情報提供をすることを目的としています。
この指数は、ジェンダーや年齢、国籍などの多様性に配慮した経営を行っている企業を対象に、企業が進める取り組みや実績を数値化し、ランキング化しています。障がい者雇用の取り組みも評価対象に含まれており、障がい者雇用に取り組んでいる企業がランキングに選ばれることがあります。
具体的には、企業が進める多様性に配慮した取り組みについてのアンケート調査や企業の公表情報の分析などを行い、その結果を基にランキングを決定します。ランキングは、上位200社までが発表され、そのうちの50社が「ダイバーシティ・リーダーズ」として選定され、さらに、その中から上位10社が「ダイバーシティ・リーダーズ・プログラム」として選定されます。
DIVERSITY INDEXに掲載されることは、企業にとっては、多様性に配慮した取り組みが認められ、投資家にとっては、社会的責任を果たし、長期的な利益を生み出す企業を選択するための重要な指標となります。
グッドカンパニー認定
「グッドカンパニー認定」とは、日本経済新聞社が主催する、社会的責任を果たし、社員や社会の信頼を獲得する企業を表彰する認定制度です。
この認定制度では、企業の取り組むべき指標として、「環境・社会」「経営」「従業員」の3つの観点から評価を行います。具体的には、以下のような項目が評価の対象となります。
・環境・社会
- 環境負荷の低減
- CSR活動や社会貢献活動の実施
- 消費者保護や情報公開の徹底
・経営
- 健全な経営体質の維持
- 企業価値向上に対する取り組み
- コンプライアンスの徹底
・従業員
- 雇用形態や福利厚生、人材育成の実施
- 多様性やジェンダーに配慮した取り組み
- 労働安全衛生の確保
グッドカンパニー認定において、障がい者雇用に関する取り組みも評価の対象となっています。障がい者雇用に対する企業の取り組みが高く評価され、認定を受けることができる可能性があります。